機能性表示食品 エビデンス研究室

機能性表示食品(サプリメント・健康食品)にはどんな効果が期待できるのか? 消費者庁Webサイトで公開されている届出資料に基づき、エビデンスを中心に整理・紹介します。

ダイエット(体重)に関連する機能性表示食品(サプリメント)

2022/5/1更新

 

 

ダイエットに効果がある健康食品って?

健康食品の効果と科学的根拠

体重を減らすには、食事に気を付けたり、運動をしたり、色々なやり方があります。

サプリメントや、健康食品・飲料を使うのも一つの方法です。巷では色々な商品が宣伝されていて、効果があるのか、どれを選んだらよいのか、わからなくなってしまいます。

もちろん、飲むだけで痩せる、などということはありえません。一方で、すべての商品が全くの気休めかというとそんなことはなく、科学的根拠(研究エビデンス)に基づいている商品もあります。

機能性表示食品の科学的根拠

このサイトで注目している「機能性表示食品」は、エビデンスに基づいています。また、そのエビデンスの内容は、消費者庁で公開されている「届出書類」で確認することができるので、比較的信頼性が高いと言ってよいでしょう。

 

そこで、「体重」に関する機能性表示食品を対象に、届出書類を確認し、体重減少に関する研究結果のデータをまとめてみました。

 

なお、「届出書類」の調べ方はこちらの記事を参照ください。

shige-o.hatenablog.com

 

 

「体重」に関する機能性関与成分

「体重」のキーワード検索から、体重に関連する機能性表示食品は、200件以上存在します(2022/3/12現在:225件)。その中には、同じ機能性関与成分を配合している商品も多くみられます。

 

ここでは、成分ごとに、最近の届出書類を読み解いて、「体重」に関する試験結果のデータを抜粋・集約してまとめました。

機能性関与成分を一定期間摂取した群(介入群)と、摂取しなかった群(対照群)との平均差を、「体重の平均差」に記しています。記載した数値の効果を必ず得られるわけではありませんが、「体重の平均差」は、その成分の「効果」の目安にはできるでしょう。

この数値の大きさと、摂取期間の短さは、効果の目安になると考えられます。

 

機能性関与成分

商品数

※1

論文数

※2

体重の平均差

(介入群vs. 対照群)

※3

摂取期間

※3

葛の花由来イソフラボン(テクトリゲニン類) 117 6 -1.3 kg (統合値) メタアナリシス
エラグ酸 62 2 -1.85~-6.16 kg 8~12週間後
カテキン(ガレート型カテキン) 19 7 -0.43~-3.0 kg 4~12週間後
エノキタケ由来脂肪酸 9 1 -1.0 kg 12週間後
りんご由来プロシアニジン 6 2 -0.59~-0.99 kg 12週間後
コーヒー生豆由来クロロゲン酸 2 2 -1.2~-2.52 kg 60日~12週間後
プーアール茶由来没食子酸 2 1 -1.21 kg 8週間後
ターミナリアベリリカ由来没食子酸 1 1 -0.7 kg 12週間後
フコキサンチン 1 1

-1.8%

※例えば体重70kgの場合、-1.3kgに相当。

4週間後

※1 2022/3/13現在

※2 直近の商品の届出書類に掲載されているシステマティックレビューで肯定的評価をされている論文数

※3 複数の論文がある場合は、最低値~最大値の幅で掲載

 

 

エビデンス集約の考え方と留意点

各成分の詳しい内容は、それぞれのリンク先で紹介していますが、以下のような考え方でデータを拾っています。

  • ある論文の中で複数の摂取期間で体重を計測している場合、有意差がついた測定期間の中で最も短い期間での「体重の平均差」と期間を採用。
  • さらに、複数の論文がある場合は、肯定的評価がなされている論文に絞り、「体重の平均差」「摂取期間」は最低値と最高値で幅を持って記載。

研究それぞれで、対象者、試験条件、解析手法などが異なっていますので、成分同士を一概には比較できないことには注意が必要です。

成分によって、体重を減らすメカニズムが違いますので、人によって適した成分が異なることも十分考えられます。メカニズムは今回は調べ切れていません。今後確認していきたいところです。

 

上記のような留意点もありますが、「機能性表示食品」を選ぶ参考になればと思います。