機能性表示食品 エビデンス研究室

機能性表示食品(サプリメント・健康食品)にはどんな効果が期待できるのか? 消費者庁Webサイトで公開されている届出資料に基づき、エビデンスを中心に整理・紹介します。

フコキサンチンの体重エビデンス

昆布やワカメなどに含まれているカロテノイドの1種「フコキサンチン」に、体重を減らす効果があります。4週間でのデータがあり、体重を減らす機能性関与成分としては、最も短期間で結果が出ている成分です。

 

 

機能性関与成分「フコキサンチン」

体重に関する機能性表示食品のうち、1件は「フコキサンチン」が使われています。(2022/4/23現在)。届出番号G1329の届出書類を参照し、この成分の効果を読み解きます。

 

典型的な届出表示

「フコキサンチン」の届出表示は、概ね以下のような表示です。

フコキサンチンは肥満気味の方のおなかの脂肪(内臓脂肪)や体重の減少をサポートし、高めのBMIを低下させる機能が報告されています。

 

つまり、下記のような指標を対象としています。

  • 体重
  • 内臓脂肪
  • BMI

 

体重・BMIに関する効果・エビデンス

成人を対象にしたフコキサンチンの臨床試験エビデンスとして、この届出書類では1つの研究論文を見出しています。フコキサンチンを1日当たり3 mg、4週間摂取した場合、体重、BMI、内臓脂肪面積が有意に低下する結果が示されています。

 

体重の結果

相対値(パーセント)での変化であることに留意してください。例えば体重70kgの人であれば、-1.8%は、-1.3kgに相当します。

文献

平均差(介入群vs. 対照群) 摂取期間 p値 フコキサンチン摂取量
1 -0.9% 4週間後 有意差なし 1mg
1 -1.8% 4週間後 p<0.05 3mg

BMIの結果

文献

平均差(介入群vs. 対照群) 摂取期間 p値 フコキサンチン摂取量
1 -0.9% 4週間後 有意差なし 1mg
1 -1.8% 4週間後 p<0.05 3mg

内臓脂肪の結果

文献

平均差(介入群vs. 対照群) 摂取期間 p値 フコキサンチン摂取量
1 -9.9% 4週間後 有意差なし 1mg
1 -18.6% 4週間後 p<0.05 3mg

 

 

「フコキサンチン」とは

届出書類には、この成分について、以下の説明があります。

フコキサンチンは昆布やワカメ、微細藻類などに含まれているカロテノイドの1種

 

カニズムについては、届出書類様式VIIに以下の説明があります。

腹部白色脂肪細胞にUCP1を発現させ、脂肪を燃焼し、カロリーを消費することで内臓脂肪量の減少が期待できる。そして、内臓脂肪量の減少により、体重を減らし、BMIの改善が期待できる。

 

 

(出典論文)

1. Hitoe S et al., Functional Foods in Health and Disease 2017; 7(4): 246-262

 

 

-------

本記事を作るにあたって、「機能性表示食品」の届出書類を参考にしています。

情報の調べ方は以下の記事を参照ください。

shige-o.hatenablog.com