機能性表示食品 エビデンス研究室

機能性表示食品(サプリメント・健康食品)にはどんな効果が期待できるのか? 消費者庁Webサイトで公開されている届出資料に基づき、エビデンスを中心に整理・紹介します。

コーヒー生豆由来クロロゲン酸の効果・機能

 

機能性関与成分「コーヒー生豆由来クロロゲン酸」

体重に関する機能性表示食品うち、2件は「コーヒー生豆由来クロロゲン酸」が使われています(2022/3/13現在)。

最近届出された届出資料の中から、届出番号G1095の届出書類を参照し、この成分が何者なのか、どのような効果や機能があるのかを読み解いてみます。

 

典型的な届出表示

「コーヒー生豆由来クロロゲン酸」の届出表示は、商品によってバリエーションはありますが、概ね以下のような表示です。

コーヒー生豆由来クロロゲン酸類120 mgには食後の血糖値上昇を緩やかにする機能、コーヒー生豆由来クロロゲン酸類180 mgには肥満気味の方の内臓脂肪や体重の減少を助け、高めのBMIの改善に役立つ機能が報告されています。肥満気味の方、BMIが高めの方に適した食品です。

 

下記のような指標を対象としていることがわかります。

  • 体重
  • 内臓脂肪
  • BMI
  • 食後の血糖値上昇

 

「コーヒー生豆由来クロロゲン酸」とは

届出番号G1095の届出書類様式Vには、この成分について、以下の説明があります。

コーヒー生豆由来クロロゲン酸類はコーヒー生豆に含まれているクロロゲン酸類であり、α-アミラーゼやスクラーゼの活性阻害作用、腸でのグルコース吸収抑制作用がin vitro及びin vivo試験で報告されており、これらの作用機序から食後の血糖値の上昇を緩やかにすると考えられている。

 

カニズムについては、様式VIIに以下のように記載されています。

コーヒー生豆由来クロロゲン酸類は肝臓の脂肪代謝を促進さる。加えてクロロゲン酸は脂肪組織における脂肪合成を抑制することで、内臓脂肪が減少し、体重が減ることによって、BMIの改善が期待できる。

 

体重に関する効果・エビデンス

成人を対象にした臨床試験エビデンスとして、この届出書類では4つの研究論文を見出しています。

体重に有意差がついているのは、4つのうち2つの論文です。これらをレビューした結果、コーヒー生豆由来クロロゲン酸類を1日当たり180 mg以上、60日間摂取した場合、内臓脂肪面積、体重、BMIが有意に減少する効果を結論付けています。結果は下表のようにまとめられます。

 

論文

平均差(介入群vs. 対照群) 摂取量 摂取期間 p値
1 -2.52 kg 180mg/日 60日間摂取 p <0.001
2 有意差なし 49.3 mg/日 8週間摂取  
3 -1.2kg 297 mg/日 12週間摂取 p < 0.05
4 有意差なし 369 mg/日 12週間摂取  

 

(出典論文)

1. Dellalibera et.al., Phytotherapie
 Svetol, green coffee extract induces weight loss and increases the lean to fat mass ratio in volunteers with overweight problem.

2. Yeon PJ, et.al., Korean J. Nutr.
 The effect of green coffee bean extract supplementation on body fat reduction in over weight/obese woman.

3.長尾ら、薬理と治療、コーヒー飲料の継続摂取による肥満者の内臓脂肪低減効果

4. Watanabe et.al,  Nutrients.
Coffee Abundant in Chlorogenic Acids Reduces Abdominal Fat in Overweight Adults: A Randomized, DoubleBlind, Controlled Trial