機能性表示食品 エビデンス研究室

機能性表示食品(サプリメント・健康食品)にはどんな効果が期待できるのか? 消費者庁Webサイトで公開されている届出資料に基づき、エビデンスを中心に整理・紹介します。

カテキン(ガレート型カテキン)の効果・機能

 

機能性関与成分「カテキン(ガレート型カテキン)」

体重に関する機能性表示食品うち、19件は「カテキン(ガレート型カテキン)」が使われています(2022/3/13現在)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近届出された届出資料の中から、届出番号G1053の届出書類を参照し、この成分が何者なのか、どのような効果・機能があるのかを読み解いてみます。

 

典型的な届出表示

カテキン(ガレート型カテキン)」の届出表示は、商品によってバリエーションはありますが、概ね以下のような表示です。

 

カテキン(ガレート型カテキンとして)には、肥満気味の方のお腹まわりの脂肪(内臓脂肪、皮下脂肪)を低下させ、体重の減少をサポートし、高めのBMIを低下させる機能があることが報告されています。

 

下記のような指標に効果があることがわかります。

  • 体重
  • 内臓脂肪
  • 皮下脂肪
  • BMI

 

効果・エビデンス

成人を対象にした臨床試験として、この届出書類では10報の研究論文を見出しています。10報のうち、体重、BMIでは7報が、内臓脂肪では8報が、腹部皮下脂肪、腹部脂肪では6報が、それぞれ肯定的な結果でした。

 

体重に関する結果

体重に関する7報の結果は下表のようにまとめられます。

 

体重変化量

論文

対照群

介入群

平均差

(介入群vs. 対照群)

摂取期間 p値
1 記載なし 記載なし 4週間後 有意差あり
2 -0.1±1.7 -1.7±1.5 -1.6 12週間後 p<0.05
3 0.21±1.42 -0.34±1.56 -0.55 12週間後 p<0.05
4 0.18±0.95 -0.25±1.22 -0.43 8週間後 p<0.05
5 0.1±0.7 -2.9±1.2 -3.0 12週間後 p<0.05
7 記載なし 記載なし 4週間後 有意差あり
9 0.04±0.21 -0.54±0.20 -0.58 4週間後 p<0.05

単位:kg

 

 

内臓脂肪に関する結果

内臓脂肪に関する8報の結果は下表のようにまとめられます。

 

内臓脂肪面積変化量

論文

対照群

介入群

平均差

(介入群vs. 対照群)

摂取期間 p値
1 記載なし 記載なし 8週間後 有意差あり
2 -3.9±24.9 -10.3±23.3 -6.4 12週間後 p<0.05
3 0.30±17.56 -5.99±16.31 -6.29 12週間後 p<0.05
4 3.18±10.65 -4.69±13.70 -7.87 8週間後 p<0.05
5 5.0±14.8 -4.3±13.7 -9.3 12週間後 p<0.05
6 -1.6±12.7 -10.6±12.1 -9.0 12週間後 p<0.05
7 -0.65±2.92 -9.01±2.37 -8.36 12週間後 p<0.05
9 0.29±2.50 -8.71±2.48 -9.0 12週間後 p<0.05

単位:cm2

 

 

 

カテキン(ガレート型カテキン)」とは

届出番号G1053の届出書類の様式Iには、この成分について、以下の説明があります。

緑茶は、ポリフェノールの一種であるカテキンを豊富に含んでいます。茶カテキンには、遊離型であるカテキン、ガロカテキン、エピカテキン、エピガロカテキンの4種類とガレート型であるカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートの4種類が含まれています。これまでの研究で、抗酸化作用、脂質代謝、糖代謝などにおいて様々な有効性が報告されています。

 

 

 

ーーーー

本記事を執筆するにあたって、「機能性表示食品」の届出書類を参考にしています。

情報の調べ方は以下の記事を参照ください。

shige-o.hatenablog.com

 

 

(出典論文)

1. Kobayashi et. al., Food Funct. 2016; 7(1): 498-507.
2. Nagao et. al., Obesity (Silver Spring). 2007; 15(6): 1473-83.

3. Matsui, et.al., Japanese pharmacology and therapeutics, 2018, 46(8), 1383‐1395
4. 松井 ら、薬理と治療 44巻7号Page1013-1023 (2016.07)

5. 高瀬ら、薬理と治療(0386-3603)36巻3号 Page237-245(2008.03)
6. 鈴木ら、薬理と治療 37巻6号Page521-527 (2009.06)
7. 鈴木ら、日本臨床栄養学会雑誌29巻2号 Page72-80 (2007.10)
8. Kajimoto et.al., Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition 33巻3号Page101-111(2003.12)
9. 土田 ら、Progress in Medicine 22巻9号 Page2189-2203(2002.09)
10. 大塚ら、栄養-評価と治療 19巻3号 Page365-376 (2002.08)