ターミナリアベリリカ由来没食子酸
機能性関与成分「ターミナリアベリリカ由来没食子酸」
体重に関する機能性表示食品うち、2件は「ターミナリアベリリカ由来没食子酸」が使われています(2022/3/13現在)。そのうち1件(届出番号F406)が、「ターミナリアベリリカ由来没食子酸」を対象としたシステマティックレビューによる届出です。
この届出書類を参照し、この成分が何者なのか、どのような機能があるのかを読み解いてみます。
典型的な届出表示
届出番号F406「ターミナリアベリリカ由来没食子酸」の届出表示を以下に示します。
ターミナリアベリリカ由来没食子酸には、食事に含まれる糖や脂肪の吸収を抑えて、食後の血糖値や中性脂肪の上昇を抑える機能、肥満気味な方の内臓脂肪と体重を減らして高めのBMIを低下させるのを助ける機能が報告されています。
つまり、下記のような指標を対象としています。
「ターミナリアベリリカ由来没食子酸」とは
届出番号F406の届出書類様式Vのp.44には、この成分について、以下の説明があります。
ターミナリアベリリカの果実はポリフェノールに富み、インドの伝統医学である「アーユルヴェーダ」ではハーブ(生薬)として使われてきている。また、その果実の抽出物は、膵リパーゼ阻害作用を介して食後中性脂肪の上昇を抑制することや、α-グルコシダーゼ阻害作用を介して食後血糖値の上昇を抑制すること、また、膵リパーゼ及びα-グルコシダーゼの阻害作用を有する成分はポリフェノールの一種である没食子酸(gallic acid)であることが報告されている。また、同抽出物は内臓脂肪低減作用及び体重低減作用を有することが in vivo 試験にて報告されている。
体重・BMI・内臓脂肪に関する効果・エビデンス
成人を対象にしたターミナリアベリリカ由来没食子酸の臨床試験エビデンスとして、この届出書類では1つの研究論文を見出しています。
論文では、ターミナリアベリリカ由来没食子酸(摂取量:41.6mg/日、12週間)の摂取で、体重、BMI、内臓脂肪量の減少の効果があることを示しています。
結果は下表のようにまとめられます。
効果指標 |
平均差(介入群vs. 対照群) | 摂取期間 | p値 |
体重 | -0.7 kg | 12週間後 | p<0.05 |
腹部内臓脂肪面積 | -5 cm2 | 12週間後 | p<0.05 |
BMI | -0.3 kg/m2 | 12週間後 | p<0.05 |
(出典論文)
浜ら, 薬理と治療, 46, 2091-2098, 2018.
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本記事を執筆するにあたって、「機能性表示食品」の届出書類を参考にしています。
情報の調べ方は以下の記事を参照ください。