「りんご由来プロシアニジン」の効果・エビデンス
機能性関与成分「りんご由来プロシアニジン」
体重に関する機能性表示食品のうち、6件は「りんご由来プロシアニジン」が使われており、そのうち4件が「りんご由来プロシアニジン」のシステマティックレビューによる届出です(2022/3/13現在)。
最近届出された届出資料の中から、届出番号G452の届出書類を参照し、この成分が何者なのか、どのような機能があるのかを読み解いてみます。
典型的な届出表示
「りんご由来プロシアニジン」の届出表示は、概ね以下のような表示です。
りんご由来プロシアニジンには肥満気味な方の体重、体脂肪、内臓脂肪、ウエスト周囲径、ヒップ周囲径の減少をサポートすることにより、高めのBMIを減らす機能が報告されています。BMIが高めの方に適した食品です。
つまり、下記のような指標を対象としています。
「りんご由来プロシアニジン」とは
届出番号G452の届出書類様式Iには、この成分について、以下の説明があります。
りんごはバラ科の植物で、世界中で栽培されている果実であり、約50種類ほどのポリフェノールが報告されている。りんごの未完熟果実に含まれる「リンゴポリフェノール」は、紫外線や害虫などの刺激から実を守る天然成分で、未完熟果実には成熟果実の約10倍のリンゴポリフェノールが含有されている。『アップルフェノン(R)』は、リンゴポリフェノールを高純度に抽出・精製することに成功した製品であり、抗酸化作用、アンチエイジング作用、美容・美白作用、オーラルケア、筋持久力作用など様々な効果効能が報告されている。
メカニズムについては、届出書類様式Vのp.2に以下の説明があります。
本品の体重、BMI、体脂肪、内臓脂肪、ウエスト周囲径、ヒップ周囲径低減作用における機序は、主に腸管内でのリパーゼ活性阻害による脂肪の分解及び吸収阻害によるものであると考えられる
効果・エビデンス
成人を対象にしたりんご由来プロシアニジンの臨床試験エビデンスとして、この届出書類では2つの研究論文を見出しています。
研究レビューでは、りんご由来プロシアニジンを110 mg/日摂取で、肥満気味(BMI値25以上30未満)の成人男女の体重、BMI、体脂肪、内臓脂肪、ウエスト周囲径、ヒップ周囲径の改善が示唆され、55 mg/日摂取で、体重、BMIの改善が示唆されています。
体重に関する結果
体重に関する結果は下表のようにまとめられます。文献1については、摂取量違いで2つの結果は示されています。
文献 |
平均差(介入群vs. 対照群) | 摂取期間 | p値 | プロシアニジン摂取量 |
1 | -0.59 kg | 12週間後 | p<0.05 | 55mg |
1 | -0.99 kg | 12週間後 | p<0.05 | 110mg |
2 | -0.9 kg | 12週間後 | p<0.01 | 110mg |
BMIに関する結果
BMIに関する結果は下表のようにまとめられます。文献1については、摂取量違いで2つの結果は示されています。
文献 |
平均差(介入群vs. 対照群) | 摂取期間 | p値 | プロシアニジン摂取量 |
1 | -0.22 kg/m2 | 12週間後 | p<0.05 | 55mg |
1 | -0.37 kg/m2 | 12週間後 | p<0.05 | 110mg |
2 | -0.3 kg/m2 | 12週間後 | p<0.01 | 110mg |
内臓脂肪に関する結果
内臓脂肪に関する結果は下表のようにまとめられます。文献1については、摂取量の少ない群では有意差がついていません。
文献 |
平均差(介入群vs. 対照群) | 摂取期間 | p値 | プロシアニジン摂取量 |
1 | ― | 12週間後 | 有意差なし | 55mg |
1 | -9.5 cm2 | 12週間後 | p<0.05 | 110mg |
2 | -10.0 cm2 | 12週間後 | p<0.01 | 110mg |
(出典論文)
1. 竹田ら, 薬理と治療, 2017;45(4):635-651
2. Akazome Y, et al, J Oleo Sci., 2010;59(6):321-38
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本記事を執筆するにあたって、「機能性表示食品」の届出書類を参考にしています。
情報の調べ方は以下の記事を参照ください。