L-テアニン
健康には、睡眠も重要です。
今回は、睡眠改善効果のある成分「L-テアニン」の科学的根拠をまとめました。
L-テアニンは、天然の食物にも含まれるアミノ酸の一種です。
機能性関与成分「L-テアニン」
機能性関与成分「L-テアニンA」を使った「睡眠」関連の機能性表示食品は、78件あります(2022/3/27現在)。
眠りを誘うのではなく、ストレスによる脳の興奮を抑え神経を沈静化し、心もカラダもリラックスさせるという、眠りの質を高めるために必要な効果が期待できま
届出番号F751の機能性表示食品の届出書類から、「L-テアニン」の効果・エビデンスを読み解きます。
届出表示
L-テアニンの睡眠に関する機能性表示は、以下のようなものです。
本品に含まれるL-テアニンは、睡眠の質をすこやかに改善(睡眠効率<就床時間中の睡眠の割合>を上げ、すっきりとした目覚めと起床時の眠気・疲労感の軽減に役立つ)するとともに、一過性の作業などによるストレス(精神的負担)を和らげる機能が報告されています。
つまり、下記のような指標を対象としています。
- 睡眠効率<就床時間中の睡眠の割合>
- すっきりとした目覚め
- 起床時の眠気・疲労感
効果・エビデンス
睡眠効率
睡眠効率<就床時間中の睡眠の割合>は、2.81%改善しています。
文献 |
平均差(介入群vs. 対照群) | 摂取期間 | p値 | L-テアニン摂取量 |
1 | 2.81% | 6日間後 | p=0.047 | 200mg |
夜間の睡眠客観評価(交感神経系)
脈拍間隔変動(%LF:LF/(LF+HF) x 100)で評価し、テアニン介入によ
り抑制することが示されている。
文献 |
平均差(介入群vs. 対照群) | 摂取期間 | p値 | L-テアニン摂取量 |
2 | -4.30 %LF | 6日間後 | p=0.033 | 200mg |
起床時の疲労感
睡眠内省評価起床時の気分は、OSA睡眠調査票 MA版:Zcで評価しており、2つの研究論文のうち、有意差がついているのは1報です。
文献 |
平均差(介入群vs. 対照群) | 摂取期間 | p値 | L-テアニン摂取量 |
1 | 2.8 | 6日間後 | p=0.042 | 200mg |
2 | 1.60 | 6日間後 | p=0.087 | 200mg |
「L-テアニン」のメカニズム
メカニズムについては、届出書類様式VIIに以下の説明があります。
テアニンは抑制系の GABA作動性ニューロンに作用し入眠を促進している可能性
テアニンは抑制性のニューロンの活動を促進し、興奮性のニューロンを抑制すると示唆され、脳内の神経伝達機構のレベルにおいても睡眠を促進している可能性
https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc08/sayoukijyo?sayoukijyoFile=F751%255CF751_sayoukijyo.pdf
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本記事を作るにあたって、「機能性表示食品」の届出書類を参考にしています。
情報の調べ方は以下の記事を参照ください。
(出典論文)
1. 小関誠, JUNEJA L R, 白川修一郎、日本生理人類学会誌(2004, 9 (4) 143-150)
2. 小関誠, JUNEJA L R, 白川修一郎、日本生理人類学会誌(2008, 13 (3) 147-154)
3. Unno K, Tanida N, Ishii N, Yamamoto H, Iguchi K, Hoshino M, Takeda A, Ozawa H, Ohkubo T, Juneja LR, Yamada H, Pharmacology Biochemistry and Behavior (2013, 111, 128-135)